こんにちは!SUIMASです!
今回は2020年4月の調剤報酬改定にて追加になった
「服用薬剤調整支援料2」
ですが、2022年4月の改定では点数が110点と90点の2ケースに分けられました。
服用調整支援料自体はポリファーマシー改善目的で前々回の改定(2018)より追加になった項目です。
2020年4月改定で従来の服用薬剤調整支援料は「1」となり、新規で「2」が追加となりました。
さて今回の改定ではどのような点が変わったのでしょうか?
2020年の改定内容に2022年の変更点を追記する形で解説していきます!
服用薬剤調整支援料1と2の違い
2022年改定内容を踏まえ、服用薬剤調整支援料「1」と服用薬剤調整支援料「2」を比較してみます!
※算定要件のお堅い文書は皆さん見飽きていると思うので割愛します。
服用薬剤調整支援料 | 1 | 2 | 2 |
点数 | 125 | 110 | 90 |
内服薬の種類 | 6種以上 | 6種以上 | 6種以上 |
処方医への提案内容 | 服用薬剤の削減 | 重複薬の解消 | 重複薬の解消 |
算定要件 | ・処方医に文書を用いて提案 ・2種類以上の処方薬の減薬が必要 |
・処方医に文書を用いて提案 ・厚生労働大臣が定める施設基準をみたす保険調剤薬局にて行う | ・処方医に文書を用いて提案 ・提案後の処方変更の有無は問わず |
算定回数 | 月1 回 | 3ヶ月に1回 | 3ヶ月に1回 |
「1」と「2」の共通点は
・6種以上の内服薬を服用している患者が対象
・医師への文書による提案
です。
異なる点は
・算定回数
・減薬実績の有無
です。
2022年改定では変更となった点は赤字で表しています。
厚生労働大臣が定める施設基準て何?
ここでいう施設基準とは「重複投薬等の解消に係る実績を有していること」
具体的には、過去1年間に1回以上、服用薬剤調整支援料1に該当する実績がある薬局です。
ポイントは
- 実際に服用薬剤調整支援料1を算定していなくてもOK
- 重複投薬等の解消に係る提案と実績を薬歴に記載する必要がある
- 別途、新規で当該基準に係る届け出をする必要なし
注意事項に関しては後述しているが、
服用薬剤調整支援料2を算定した後、実際に減薬に至ったケースであっても服用薬剤調整支援料1へ算定を変更することはできないため注意が必要。
服用薬剤調整支援料2算定のポイント
最大のポイントは「提案後の減薬実績がなくても算定可能」な点です。
服用薬剤支援料1の算定が難しかった背景として2剤以上の減薬実績が必要だという点が挙げられます。
支援料2に関しては、実績の有無にかかわらず算定できるため、かかりつけの機能を発揮している薬局・薬剤師にとっては比較的算定しやすいものとなりました。
以下に算定の際のポイントをまとめます。
・重複投与解消提案を報告書にて医師へ提出
※報告書へは
受診中の医療機関・診療科情報
服用中の薬剤一覧・重複に関する情報
副作用の恐れがある場合はその症状と関連する薬剤
に関する情報を記載
・服用薬剤の内最低1種類は当該薬局にて調剤されたもの
・提案による結果は、次回以降の来局時に確認
・服用薬剤調整支援料2算定に係る文書提供による服薬情報等提供料は算定不可
※服用薬剤調整支援料2算定に係る注意事項(疑義解釈より)
・服用薬剤調整支援料2を算定。その後、提案により減薬し服用薬剤調整支援料1の算定要件を満たした場合、支援料1は算定可能か
➡算定不可
・同一月内の同一患者にて、複数の医療機関に対し重複投与解消提案をした場合、医療機関ごとに算定可能か
➡算定不可(算定は医療機関毎ではなく患者毎に行うため)
・服用薬剤調整支援料2を算定後、変更がなく3ヶ月後も同様の状況だった場合、再度服用薬剤調整支援料2を算定可能か
➡算定不可
私が報酬改定の内容を確認する方法
調剤報酬改定により新しい加算の新設や、既存の加算の算定条件の変更や点数の改定がありました。
厚生労働省からの通知や各卸がまとめた表など確認する方法は様々ありますが、
PDF資料を持ち歩いたりするのは面倒。まとめてあっていても、算定要件の文書のみ書かれているだけで算定に必要な要件を確認するには別途調べなければなりません。
そこで、オススメなのが「じほう」より出版されている「保険調剤Q&A 令和4年版」
ようやく、6月30日に2022年4月改定の調剤報酬に関するまとめ書籍が出ました。
以前紹介した、北海道医療総合研究所 編著の「調剤報酬実務必携」は最新版が発売されていません(個人的にかなりお気に入りだったのに)
保険調剤Q&Aはポケットサイズと呼ぶには大きい(約15×2×21cm)ですが、図や表で視覚的にもわかりやすく要点がまとめられているため、薬局での調べ物用に1冊置いておくことにします!
最後に
服用薬剤調整支援料2の設置は薬剤師・薬局が「かかりつけ」としての機能を示すよい機会だと感じています。
算定要件が服用薬剤調整支援料1に比べ満たしやすいため算定件数自体は増えるでしょう。
しかし、注意事項の3つ目にも記載した通り、基本的には同一の状況下での算定は1度きりです。
これはつまり、算定自体は減薬が伴わなくとも行うことはできるが、その先もフォローを継続し減薬につなげて欲しいという薬剤師に対する期待の表れではないでしょうか?
あくまで
服用薬剤調整支援料2はポリファーマシーを解消するための手段であり、その算定自体が目的ではありません。
この加算が新設された背景、我々の役割を考えながら、薬剤師としての職能を活かしていきましょう!
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