こんにちは!ピノスケです!
少しずつ暑くなり、外に出る機会も増えてきましたね。
外に出る機会が増えてくると気になるのが、虫刺されや草木によるかぶれなどの皮膚トラブルです。
皮膚炎用の薬として最近CM等でよく目にするのがフルコートfとリンデロンVsです!
この2種類の医薬品については、実際の医薬品売り場でも、
どちらもCMで良く効くって言ってるけど、どっちを選べばいいの?
と質問されることが多いので、今回は
フルコートfとリンデロンVsの違い・選び方
を現役薬剤師であるピノスケが解説していきます!
成分の比較
まずは有効成分の比較をしていこう!
フルコートfとリンデロンVsに含有される有効成分は表の通りです。
フルコートf | リンデロンVs | |
有効成分① | フルオロシノロンアセトニド 0.25mg | ベタメタゾン吉草酸エステル 1.2mg |
有効成分② | フラジオマイシン硫酸塩 3.5mg | ー |
赤文字で記載した有効成分はいずれも外用のステロイドです。
外用ステロイドには患部の赤みや腫れといった炎症を抑える抗炎症作用があります。
フルコートfとリンデロンVsに含有されている成分はともにストロングクラスで、市販薬として購入できる最強クラスの成分を使用しています。
フルコートfには更に青文字で記載したフラジオマイシン硫酸塩という抗生物質が追加で含有しています。
この抗生物質は、我慢できずに掻き壊して皮膚のバリア機能が低下した部分の細菌増殖を防ぐ役割があります。
これら成分の違いを踏まえた使い分けは後述する「結論:こう使い分ける!」にて解説します!
剤型の違い
それぞれの製品にどんな剤型があるのか見ていこう!
それぞれの製品で販売されている剤型を表にまとめました↓
軟膏 | クリーム | ローション | |
フルコートf | ○ 5g/10g | ー | ー |
リンデロンVs | ○ 5g/10g | ○ 5g/10g | ○ 10g |
フルコートfは軟膏のみでサイズは5gと10gがあります。
一方、リンデロンVsは軟膏、クリーム、ローションと3種類の剤型があり、軟膏・クリームは5gと10g、ローションは10gのみとなっている。
同じ成分でも剤型により特徴があるため、軟膏、クリーム、ローションのそれぞれの特徴は以下の表の通り。
軟膏 | クリーム | ローション | |
ベタつき | 強い | 弱い | 最も弱い |
刺激性 | 弱い | 強い | 強い |
皮膚吸収のしやすさ | 遅い | 早い | 早い |
使用患部 | どんな状態の患部にも○ | 乾燥している患部 | 頭皮など有毛部 |
使用上の注意
市販薬だからこその注意もあるよ!
特に使用期間や使用量について症状の早い改善、副作用防止の観点から重要になってきます。
知っておきたい注意事項について解説していきます!
塗る回数の目安
1日2~3回。症状がよくなってきたら、「ストロング」に分類されるステロイド外用剤の場合は1日1回に減らしてください。
使用期間の目安
添付文書やパッケージには、「5~6日間使用しても症状がよくならない場合や悪化した場合は使用を止め医師、薬剤師、または登録販売者に相談してください」と記載があります。
もし1週間以上は続けて使用する必要がある場合は、受診をしましょう!
使用量の目安
軟膏、クリーム、ローションともに約0.5gで大人の手のひら2枚分の面積を塗ることができます。
これに関しては以下の画像がイメージしやすいです↓
使用できない部位
デリケートエリアや粘膜への使用は避ける必要があります。
また、リンデロンVsのようにステロイドのみ含有している場合は細菌が感染し化膿した部位には使用できません。
一方、フルコートfは抗生物質を含有しているため化膿した部位にも使用が可能です。
結論:こう使い分ける!
実際にはこんな使い分けができる!
これまで解説した2製品ごとの特徴や注意事項を踏まえた使い分けは以下のようになります!
- 掻き傷や化膿のない患部の炎症(腫れ、赤み、痒み)→リンデロンVs
軟膏:どこでも万能、肌の弱い人に
クリーム:患部が乾燥、ベタつきが気になる人
ローション:有毛部、ベタつきが気になる人 - 掻き壊しや化膿している患部の炎症(腫れ、赤み、痒み9→フルコートf
市販薬のステロイド含有商品には他にも「マイルド」や「ウィーク」クラスを含有した商品、痒み止め成分を含有した商品など様々な種類が存在しています。
症状や患部、年齢によってはそれらを使い分ける必要が出てくるため、市販薬の購入時に迷った際はぜひ薬剤師や登録販売者を頼ってください!
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