意外と知らない!市販用アレグラと医療用アレグラの効能・効果の違い

薬剤師・薬・健康
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こんにちは!SUIMASです!

元ドラッグストア薬剤師が教えますシリーズ第二弾です。

今回も効能・効果について書きます。

アレグラを例に前回とは異なるアプローチで効能効果の確認の重要性をお伝えしていきます。

ここで皆さんに2点〇✖質問です。

①市販用のアレグラと医療用のアレグラは同じ有効成分である

②市販用のアレグラと医療用のアレグラは同じ効能・効果である

答えは①が〇、②が✖です。

今回の記事で皆さんにお伝えしたいことは、

市販用・医療用同じ成分の薬剤であっても効能・効果は全く一緒ではないケースがあるということです。

今回のゴール:医療用と同じ成分の薬であっても一度は効能・効果を見る癖をつけよう
では、医療用と市販用で同じ有効成分であるアレグラを例に解説していきます。

アレグラ:市販用と医療用の効果を比較してみる

CMでもお馴染みのアレグラ。

CMや広告でも医療用と同じ成分を含有していると強調しているため、一般的な認知が高い薬です。

医療用のアレグラ、市販薬のアレグラFXにはそれぞれ1錠あたり「フェキソフェナジン塩酸塩 60㎎」を含有しています。
※医療用、市販用それぞれ小児用も存在していますが、いずれも「フェキソフェナジン塩酸塩 30㎎」が含有しています

添付文書画像の抜粋から2製品の効能・効果を比較してみる

まず、

医療用のアレグラ60㎎の添付文書より抜粋

次に

市販用のアレグラFXの添付文書より抜粋

二つの画像にある効能・効果を比較してください。

市販用のアレグラは、アレルギー性鼻炎に対する症状のみに対して、医療用はアレルギー性鼻炎に加え、赤い下線部の蕁麻疹や皮膚疾患の痒みに対する効能・効果を持っています

市販用のアレグラは蕁麻疹に効果がないの?

結論から言うと、蕁麻疹などの症状に対しても効果はあります

ただし、

市販用のアレグラはパッケージの「アレルギー専用鼻炎薬」とあるように、その製品としてはアレルギー性鼻炎の効能・効果しか取得していないということになります。

私もドラッグストア勤務時代に、「皮膚科でアレグラもらっていたからアレグラFX を皮膚疾患に使いたい」
というシチュエーションは何度も経験しました。

しかし、皮膚症状を訴える方にはアレグラFXの購入をお断りしてきました

その理由を次のセクションで解説します。

効能・効果が違うときに注意すべきこと

前述したように、効能・効果は違えど市販用・医療用のアレグラには全く同じ有効成分が含有されています。

理論上は効果が期待できるが、おススメできない理由

それは医薬品副作用被害救済制度が利用できなくなる恐れがあるためです。

医薬品副作用被害救済制度とは

「医薬品(市販薬含む)を適正に使用したにも関わらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度」

簡単に言うと、薬を使って入院以上の対応が必要な副作用が出たら医療費などを補助してくれる制度です。
※市販薬の場合、添付文書等に問い合わせ窓口の連絡先等記載があります。

この制度に関してポイントが下線部の「適正に使用した」です。

医薬品を適正に使用するとは

「医薬品の容器あるいは添付文書に記載されている効能・効果、用法・用量、使用上の注意に従って使用されることを基本とする」

つまり、原則、添付文書通りの使い方でなければ万が一重篤な副作用により健康被害を被った場合の補償がされないということです。

今回のケースでいえば、

市販のアレグラFXを皮膚疾患に使用した場合、

添付文書にはアレルギー性鼻炎しか記載がないため、不適正な使用となります

つまり、重篤な副作用により入院が必要になった場合でも救済制度を利用できない可能性が出てきます

まとめ

【医療用のアレグラと市販用のアレグラの共通点と相違点】

・いずれもフェキソフェナジン塩酸塩 60㎎(小児用は30㎎)含有

・共通の効能効果:アレルギー性鼻炎

医療用のみの効能効果:蕁麻疹などの掻痒感

【医薬品副作用被害救済制度】

・市販薬も対象の制度

・医薬品を適正に使用して生じた重篤な副作用に対し保証される制度

・適正使用=添付文書通りの使い方

今回の記事で、

医療用と市販用が同じ成分だからと言って、必ずしも同じ使い方ができるとは限らない

という点を一人でも多くの方に、理解していただけたら幸いです。

また、市販用・医療用いずれにおいても添付文書あるいは薬剤師からの説明があった使い方から逸脱して使用しないようにしましょう。

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