【剤形で含有成分が違う!?】アネトンせき止めシリーズ比較

薬剤師・薬・健康
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加
LINEで送る

こんにちは!SUIMASです!

先日咳が酷いというお客様へ”【第1類医薬品】アネトンせき止め顆粒 16包”をオススメした際
顆粒は嫌いだから錠剤がいいな
と言われました。

通常であれば、希望の剤形のものを提案するのですが今回はあえて”顆粒”をオススメしました。

この時点でピンときている方は、市販薬の勉強をされている方です。
今の時点で、なんのことやら?と思っている方も心配しないで下さい。そのための、記事です!

結論から話すと

アネトンせき止めは剤形によって構成成分が異なっている珍しい市販薬です!

具体的には”顆粒”と”錠剤・液剤”で成分が異なります。

今回はそんな”アネトンせき止めシリーズ”の比較をしながらそれぞれの剤形の特徴をみていきましょう!

各剤形の成分比較

SUIMAS
SUIMAS

早速、各剤形の成分を比較してみましょう

成分 顆粒(4包/日) 錠剤(12錠/日) 液(60ml/日)
コデインリン酸塩水和物 60mg 50mg 50mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 40mg 75mg 75mg
テオフィリン 160mg
グアヤコールスルホン酸K 270mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩 8mg 12mg 12mg
無水カフェイン 60mg 60mg
セネガエキス 1500mg相当 1500mg

テオフィリンは”顆粒”だけ

【顆粒のみに含有される成分】
・テオフィリン:気管支筋弛緩作用でせきを鎮める成分

・グアヤコールスルホン酸カリウム:気道粘液の分泌を促し、たんを薄め、出しやすくする成分
顆粒の特徴はなんといっても”テオフィリン”。
テオフィリンは医療用では気管支拡張薬として喘息の治療に用いられています。市販のせき止めは数多くありますが、その中でテオフィリン含有のせき止めはかなり少ないのです。
加えて、せき止めとして優秀な成分であるコデインリン酸塩水和物が錠剤、液剤よりも多く入っていることもポイント!
ですので私は、せきが少し続いている方、他のせき止め市販薬で効果が不十分だった方、主に軽度のせき喘息が疑われる方にオススメしています。※あくまで受診勧奨も視野に入れつつ接客を行います
また、テオフィリンは医療用では血中濃度モニタリングが必要な薬剤でもあります。
そのため、使用方法に関しては必ず添付文書、薬剤師のアドバイスを順守する必要があります!
薬剤師が主人公の漫画「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり 1巻 (ゼノンコミックス)」でもテオフィリンについては取り上げられていましたね!
アンサングシンデレラ 第1話より抜粋
【参考】
Q:テオフィリン含有の錠剤は市販薬ではないのか?
A:【第1類医薬品】ミルコデ錠A 24錠(サトウ製薬)→テオフィリン300mg含有(6錠中)
※その他成分:メチルエフェドリン、グアイフェネシン、キキョウエキス、セネガエキス、カンゾウエキス

また、テオフィリンを含有している顆粒のみ第1類医薬品(※錠剤、液剤は指定第2類医薬品)ですので、薬剤師がいる場所でしか購入できません。

錠、液は眠気を抑制しつつ、アレルギー由来のせきに強い

【錠、液にのみ含有されている成分】
・無水カフェイン:頭痛、不快感を和らげる成分。眠気防止にも有効。
・セネガエキス:気道粘液分泌を促し、たんを薄め出しやすくする成分。
錠、液には顆粒に含有されていない効果の成分が含有されています。
それが、無水カフェイン
成分比較表を見てみると、気管支を拡張させるメチルエフェドリンとアレルギー由来のせきを抑制するクロルフェニラミンの2成分が増量されています。特に注目なのが、アレルギーを抑制するクロルフェニラミン。
この薬は第一世代抗ヒスタミン薬に分類され、その効果は素早く強いのが特徴です。
そのため、錠・液では顆粒に比べよりアレルギー性のせき(花粉等によるせき)に効果が出やすいようになっています
しかし、その効果の反面副作用が起きやすい点がネックになります。
特に気になる副作用が眠気です。
ここで、活躍するのが無水カフェイン!
無水カフェインは眠気を抑制する効果があるため、クロルフェニラミンによる眠気を抑制してくれているのです
※無水カフェインは眠気抑制、頭痛・不快感軽減の目的で風邪薬や頭痛薬にも含有されいてます!

製剤特徴

SUIMAS
SUIMAS

成分以外の部分での特徴についても簡単に触れるよ!

顆粒の特徴

分類:第1類医薬品
※実店舗で購入する際は、薬剤師のいる薬局やドラッグストアでのみ購入可能

外観:白色の顆粒→独特の風味や苦味もなく飲みやすい(体験談)

対象年齢:12歳以上

用法・用量:1回1包(12歳以上15歳未満は2/3包) 1日3回食後(症状が酷い際は就寝前に1回追加服用可

錠剤の特徴

分類:指定第2類医薬品
※実店舗で購入する際は薬剤師または登録販売者がいれば購入可能

外観:淡黄褐色のフィルムコーティング錠

対象年齢:12歳以上

用法・用量:1回3錠12歳以上15歳未満は2錠) 1日3回食後(症状が酷い際は就寝前に1回追加服用可

液剤の特徴

分類:指定第2類医薬品
※実店舗で購入する際は薬剤師または登録販売者がいれば購入可能

外観:淡褐色透明の液剤(味:レモンティー風味
※せき止め液には携帯に便利な分包タイプ(【指定第2類医薬品】アネトンせき止め液 分包 3包)も存在しています

対象年齢:12歳以上(分包タイプは15歳以上)

用法・用量:1回1mL(12歳以上15歳未満6.5mL) 原則1日3回(症状により4時間間隔で1日6回まで服用可
液剤は最大1日6回服用可能であるため1回量に含有する成分は錠剤よりも少なくなることに注意

まとめ

【せき止め顆粒】
第1類医薬品(薬剤師がいる場所でのみ購入可能)
・テオフィリン含有→辛いせきにオススメ!
・12歳以上から服用可能(年齢により服用量異なる)
・1日最大4回服用可能

【せき止め錠剤】
・指定第2類医薬品(薬剤師または登録販売者がいる場所で購入可能)
・花粉などによるアレルギー性のせきにオススメ!
・12歳以上から服用可能(年齢により服用量異なる)
・1日最大4回服用可能

【せき止め液】
・指定第2類医薬品(薬剤師または登録販売者がいる場所で購入可能)
・花粉などによるアレルギー性のせきにオススメ!
・12歳以上から服用可能(年齢により服用量異なる)
1日最大6回服用可能
・持ち運びに便利な分包タイプも有り

コメント

タイトルとURLをコピーしました