就職先でドラッグストアを検討しています。
SUIMASさんがなぜドラッグストアを選んだ理由を教えてください!
薬局の採用担当をしていると、学生からほぼ100%の確率でこの質問を聞かれます。
本題に入る前に簡単に経歴を紹介します!
新卒で大手ドラッグストア(〇ギ薬局)に4年間勤務した後に転職。現在は地域密着型の調剤薬局に勤務する6年目の薬剤師です。
前職からリクルーターを経験し、現在も薬局の採用担当をしています。その他、管理薬剤師、施設営業担当も兼務。
※就職に対する価値観は個々人で異なりますのであくまで参考程度にご覧ください!
もともとはMR志望だった
私はもともとはゴリゴリのMR志望でした。
なぜMR志望になったのか?
理由は2つ
・調剤室など閉塞的な環境に閉じこもりたくない
と考えていたからです。
私の実習先では薬剤師が基本調剤室の中に缶詰めになっていることが多く、毎日毎日同じルーティン業務をおこなっているように見えました。
実習期間でも最初の2週間で薬局内の業務のほとんどを一人で行えるようになり、この環境下では刺激がなく自身の成長は見込めないと感じたのがMR志望を目指すきっかけです。
志望転換のきっかけ
MR志望で就活を進めていたいましたが、某メーカーのインターンシップに参加して考えが変わりました。
薬剤師中心のインターンシップでしたが、そのプログラムの途中で現場担当者から
MRは別に薬剤師である必要はない。
非薬剤師のMRの方が実際優秀。
と衝撃的な一言。
このインターンシップ後、薬剤師としてMRを目指すこと自体不毛なことのように思えてきたので、
再度、自身のキャリビジョンと薬剤師としての働き方について考え直しました。
ドラッグストアとの出会い
たまたま友人と参加した合同説明会でドラッグストアの説明を始めて聞きました。
ここでも衝撃。
ドラッグストアは調剤もでき、ジョブローテーションで多様なキャリアプランが可能
この説明でグッと心をつかまれてしまいました。
そもそも私の地元ではドラッグストア勤務薬剤師=レジ打ちの印象が強く、調剤併設店もほとんどない地域です。
そのため、就活の選択肢にドラッグストア自体入っていませんでしたので、この合同説明会はまさに運命的なものでした。
ましてや、ジョブローテーションで薬剤師でありながら様々な経験ができるその環境にも魅力が満載。
ただし、MR志望の時の二の舞は踏みたくなかったため、薬局・病院についても一から調べなおし業界研究を徹底的に行いました。
その上で、ドラッグストアに就職しようと決めた理由は次のセクションで解説します。
ドラッグストア志望にした 4つのポイント
最終的にドラッグストアに就職しようとした理由は4つです。
”面”分業での経験値
まず第一に薬剤師としての経験面で考えました。
もちろん門前薬局で専門性を極めるという選択肢もありました。
しかし、薬剤師1年目から専門性を意識しすぎると、自身の視野が狭くなるような気がしていました。
また、処方の癖や考え方は医師によって異なります。
より多くの症例に振れ、自身の知見を広げたいと考え”門前”タイプの薬局ではなく、”面”での店舗展開が多いドラッグストアが良いと考えました。
実際に私の経験した職場(ドラッグストアと薬局)で応需医療機関数を比較すると
・ドラッグストア ➡ 平均120医療機関/月
・薬局(門前) ➡ 平均20医療機関/月
OTC業務の充実
二つ目の理由はOTC業務です。
健康サポート薬局が徐々に普及し、薬局でもOTCを取り扱う店舗が増えています。
しかし、取り扱う品目数には限りがあり選択肢は狭い。
結論、ドラッグストアの一番の強みはこのOTC業務にあると考えています。
調剤では医師の処方にもとづいて調剤を行います。
いわば敷かれたレールが安全か確認はしますが、レール自体はすでに敷かれた状態です。
一方でOTC接客は、レールを敷くところから始まります。
顧客の情報が0の状態からスタートし、体調の確認はもちろん、服用薬剤、年齢、性別、既往歴等様々な状況を確認した上で、その方にあった薬剤を提案する。時には受診勧奨をしたり、薬自体を勧めず代替療法を提案したり。
OTC業務は薬剤師として必要なスキル・知識を総動員しなければ行うことができません。
OTCは気軽に購入できるからこそ、より安全に使用できるよう薬剤師がバックアップしなければならないのです。
予防医療におけるOTC業務のニーズは高くなると予想していたため、必ず経験しておきたいと考えていました。
ジョブローテーション制度
3つ目の理由はジョブローテーション制度の充実です。
MR志望の話をした際にもお話をしましたが、私は閉鎖的な環境にこもることが苦手です。
薬局でもジョブローテーション制度はありますが、ドラッグストアではその幅が広く、特に勤続年数が短くてもトライできる機会が多い点に魅力を感じました。
特に採用に係るリクルーターや外部組織への営業(就職先ではコーディネーターと呼称)に早期から関わることができると知れたことが決め手となりました。
また、退職を決める直前の希望調査では地域密着プロジェクト(イベント等の企画をする部署)への転属を希望していました。
・1年目~2年目:店舗薬剤師+リクルーター
・3年目~4年目:管理薬剤師+コーディネーター
福利厚生面の充実
4つ目のポイントは福利厚生面です。
最重要視した点はこれまで挙げた3つのポイントでしたが、福利厚生は就職するにあたって心の安定を得るためのポイントだと思います。
私は東北の大学に通っていましたが、就職先は中部の店舗に決めました。
この決断を行えたのも福利厚生面のバックアップがあることで安心できたからこそです。
特に入社にあたって助かった点は
・社宅の8割補助(実質自己負担は1万円ほど)
新生活に向け準備金が必要な中、引っ越し・住居に対するサポートは本当に助かりました(´;ω;`)
実際に同期の話を聞いても、福利厚生面の考え方は人それぞれですがサポートが手厚いに越したことはないという結論に至りました。
福利厚生のみで就職先を決めることは大変危険ですが、ある程度心が決まった企業で福利厚生のサポートがあることは本当にありがたい!
まとめ
就活生時代はMR志望に始まり、挫折。
再度、業界研究をやり直すことによりドラッグストアという新しい選択肢に出会うことができました。
自身がこれは良いと思っていても、実は視野が狭くなっていて、一歩下がってみることで見え方が大きく変わることもあります。
特に新卒の社会人1年目は人生1度しか経験できません。
この1年のスタートをどう切ることができるかは、社会人生活の中でも重要な時間となるでしょう。
あくまで今回は私個人の考え方であるため全ての方に強要するものでもないですし、必ずしも正しいとは思っていません。
自分の就職に対する揺らがない軸を決め、悔いのない職場を探してください!
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